2015年 06月 15日
2015 Season1 道 Road |
この地に遠征するようになり
早いもので6年という月日が流れていた。
何もわからない自分に
様々なことを教えてくれたこの地の師と共に流した本流には
今となっては、私の仲間達もお邪魔するようになり
2015年のシーズンは全日仲間達と素晴らしい時間を過ごすこととなった
空港に到着してから
レンタカーで走る道の景色も
6年経っても何も変わらない
街の色も同じように
新しい住居以外
何の変化もない
この街に
「原点」すら感じる
圧倒される道の先には
変わらない街が広がり
水辺もまた、清らかに流れる
原生林もポイントのアクセスが困難なほどに増え続け
森も川も、寸前に押さえられた環境下で
今尚、本当の姿を残している
それでも、開発は進行し
これでもまたこの街は変わった
と先人は語るのであろう
私は、この地に
「釣り」という趣味を通じ
毎年6月 10月に
各シーズン約2週間遠征してくる
毎日、本流に朝から晩まで通い
日頃、仕事で疲れ果てた身体も
休まるどころか、ガチガチになるほど
6年間欠かさず連日13-14日間川に立ってきた
最初は、釣果や数や手法にこだわり
本当に小さい、浅はかな考えだったことを
昨日のように覚えている
そんな日々を通じて
自分の中に様々なことを刻んでいくと
数でもない
大きさでもない
大事なのは
それを超越するその先ではないのか
そう感じるものだったりする
我が師から
この遠征に際して
一語でのコンセプトを聞かれた
私は「心」と答えた
しかしこの「心」という言葉は
連日多忙な生活を送り
心がよれたり、乱れる
自分を抑えたい気持ち
つまりそれは
自分への言葉
師は私にこう伝えた
道
様々な人々が共存し
様々な人生を歩み
様々な異なった考えを持つ
しかし
その道の先の目的は
一緒であるはず
釣り業界でも
アングラー一人であっても
それは正に社会同様
人生を渡り歩いていくことは
多くの鋳薔薇の道すら
笑いながら歩くこともある
道の目的の先に
人として外れてはいけないものがあるのならば
その道標は自ずから見えるはず
仲間達と一緒に
川の流れの中に
一本の釣糸を通す
その流れは
近づこうとすれば微笑み
邪見に扱えば答えてくれない
仲間が竿を曲げれば
自らが竿を曲げることよりも
何倍もの喜びが込み上げる
仲間が初めて見た
本流で育った野性味あふれる
魚を眺めながら、涙を浮かべる
時には外気温が4-7℃に落ち込み
時には20℃を超えるようなことさえある
人生同様
辛い日もあれば
穏やかな日もある
辛い日に
小さな魚がやっと答えてくれた瞬間
その小さな魚から
沢山のヒントをもらう
ありがとう
と一言魚に声をかけ
元気に帰っていく魚に出会うことがしたいのなら
例えその魚の魚種が何であろうとも
それはいいのかもしれない
糸の先に針が無いとしても
その流れの中を想像し
流の中にいる石を繊細に舐めながら
川底をイメージする
もしかすると
究極領域はそこなのか
とすら感じたり
疑似餌という釣りの中で
ルアーでもフライでも
むしろ、餌釣りという領域でも
其々の道を否定してはならない
人が人を裁き
作られた偽りのカリスマを生み続けてしまえば
きっといつか釣りというものが
無くなってしまうのかもしれない
自分は「一釣人」として
この大地の森のように
自分に
驕らず
未来の苗を植え
水を与え
時には雨、雪、風に身をおき
自然の中で
自分の小ささを知り
いつまでも個を切磋琢磨していきたい
そう感じている
道 Road
その先には、様々な異なったスタイルの「釣人」が募り
互いを「人」として見つめ合い
「みんな」で考え、「みんな」で決めていく
現世で川の中で沢山の素晴らしい人々と出会い
師の言葉を借りるならば
余生で、三途の川で糸を共に垂らす
そんな気持ちで川に立っていけたらとさえ思う
アンカーのセットしたスカジットラインを剥がす音も
いつしか、音すらしなくなってくる
タイトループで空を切るキャストも
より深く沈める為に、ワイドループで展開させたり
川にひな形なんて通用しない
人生も同様
変化のある中で
いくら同じことだけをしていても
何もかわらない
変わらない街を守りたいのなら
精神は常に磨き
心を鍛え
心底笑い合える
「人」を育てることからはじめる
市場競争を小さな輪の中で取り合ったとしても
いつか世代交代により崩壊する
ならば
人を育て
人に就くし
人を労り
驕り 高ぶるのではなく
人に敬意と心を持って
自らを鍛え上げる
そんなことを感じた
素晴らしい遠征だった
今回の遠征では
述べ13日間 1日平均8時間
合計約104時間
水辺と向き合うことができた
身体は軋み
宿に戻れば熟睡
人生は
働くことでも
どんなことでも
歩む苦労は皆同じ
人を敬い
人に生き
人として
正しき道を示していくこと
それ以上に大事なものはない
川の流れに糸を投じ
一瞬の流に糸と共に舞う
全ての動作は意味を持ち
それはまるで人生の中で
花にも緑にも
吐息があることと同じように
人生をかけた魚との命のやり取り
その道を次世代の子供達に残し
人生の生き方を説くのと同じほどに
我々は「釣り」という世界を汚してはいけないはず
戦で手段を選ばずに
どんな世界でも
頂点を本当に極めたことがあるのなら
和を持って 人を育てる
そこに行きつくはず
道はそれぞれ違うけど
目的はひとつ
貴方の釣りの目的は何ですか?
その目的は清いものですか?
それが清いものならば
いつか必ず共に道を歩きましょう
今年の遠征は
沢山の命と出会い
沢山の笑顔も涙もあった
素晴らしい日々でした
楽な時こそ考え
苦しい時こそ笑う
己のあるべき姿は
どんなときも見失わない
秋も必ず
この場所に
道の入り口に立ったばかりの先を見つけに来たい
2015 First Season
Road
To be continue
by fourseasonss
| 2015-06-15 11:32